2006年 11月 17日
柿渋でしぶく |
昨日の骨董市で久しぶりに酒袋を見た。
実にいい具合に色付き、はだざわりのしっとりした、
とてもいい状態の酒袋だった。
酒袋とは昔、酒を作る時その雫を濾す為に用いていたのだが、
木綿のその袋を強化するのに柿渋で染められていた。
柿渋は船や住建材の防腐剤としても用いられてきたが、
その特徴は空気に触れる事によって酸化し、
時を経るににしたがって色付いて行く事である。
近年、古布を用いた服などの需要が高まり、
酒袋も脚光を浴び、一時は非常に高い値で取引されていて、
私もなかなか仕入れなど出来ないまさに高嶺の花であったが、
最近ブームも一段落し常識的な値が付いているようである。
残念ながら今回は売り込み先の当ても無く落札できなかったが、
個人的にも愛すべき布であるので次の出会いを待つ事としよう。
バッグ、服のワンポイントなどに用いたらグーでありますが、
財布に使ったらヴィトンなど目じゃありません。
違いが解る人の逸品となりましょう。
ちなみに天然の柿渋のくささはとんでもないものです。
by yomezaka
| 2006-11-17 00:00
| 布