2006年 11月 02日
海を渡って |
絣、筒描き、型染め、縮緬などの選りすぐりを並べ、
おばさま方の話を聞いてると、よく言われるのが、
日本の物はよくてアジアのものは粗雑である!柄がねー!、と言う類の事である。
はてそうであろうか、
この布は算崩しと呼ばれる経糸と横糸を組み合わせた織物で、
日本的な柄行に思える。しかし調べてみれば、
桃山から江戸時代、オランダ船などによって日本にもたらされたものなのだ。
インドの染織の本などを見ると、そっくりな物にに出会う事ができる。
桃山時代、茶人達はインド、中国などの布を求める為、
大金を費やしたと言われている。
そしてそれに飽き足らず自分でデザインし、注文までしていた。
日本的だと思っていた物の多くが、実は、すこし下にみておられる、
アジアを起源とするものだったと言う事になる。
日本人が日本のものを誇り、好む事はいいことではあるが、
伝来の過去に目をつぶるのはさびしい事だ。
桃山びとの進取の心意気に学ばねば!
そんな事などを、アジアの布屋さんの商品を見ながら思っていたら、
葉書の案内状が目にとまった。
算崩しの柄である。ある陶芸家の方の個展の葉書なのだが、
この柄を粘土で機織のように織り込み、色付けし、作品としているのだ。
括目すべき取り組みだと思う。是非、成功して欲しいものだ。
by yomezaka
| 2006-11-02 18:09
| 布